Noが言えない不登校生には…

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不登校の生徒と関わってよく思うのが、
「NO」を言うのが苦手な子が多いなぁ ということ。

優しくて、人の期待を拒むのが苦手だったり、
生真面目で不器用で頑固で、
人間関係を適当にやり過ごすことができなかったり…

理由は色々ですが、
総じて「NO」を言うのが苦手な子は
いじめられやすくなったり 不登校になったりと
損な目に遭いやすいようです。

優しくて、断るのが苦手な子は受容的ですから、
他人を利用しようとする人(自分を受け入れさせたい人、自己中心的な人)が
寄って来ることがあります。

そのような人に、
依存されたりいいように使われたりしても
NOが言えないので、
「嫌だな」と思いながらも 付き合い続けます。
そしてある日パタッと エネルギーが切れて 学校に行く力が出なくなってしまいます。
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不器用な子や頑固な子、生真面目な子は
同級生からからかわれたり、嫌なことを言われても
機転の利いたとっさの対応が苦手なので
何も言えないまま 固まってしまいます。

それが
「あいつには何を言っても大丈夫だ(言い返してこないし、言いつけないし)」と
思われ、調子に乗られ、からかいの対象となったりすることもあります。
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そしてそれに耐えるエネルギーが切れた頃、
家にこもるようになります。
(家では暴れたり怒りっぽくなったりすることも)

どちらとも
『何も言えない不甲斐ない自分』を味わうことになり、
自分への信頼が低くなります。
(信頼が低くなると、積極性も低くなります。)

何も言えないままでいることは
いじめられ体質になっていくことにもなるのです。
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そう言う生徒達と よく実践しているのが、
ここ(相談室・安全な場所)で、
悩みの元となった相手をイメージして、自分の気持ちを伝えること。
言いたかったことを、今ここで言うこと。

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この方法、意外なことに
生徒たちは真剣にやってくれます。

もとは
僕の相談室にある大きなぬいぐるみを、
生徒たちが憎き(?)相手に見立て
言えなかったことを言ったことが始まり。

やってみた生徒たちが皆、
「スッキリした!」と、
本当にその相手に言ったような感覚になるのです。

そして何より、
「大丈夫、(自分は)出来る」と
自分への信頼を取り戻しているのです。

NOを言うのが大事と分かっていても出来ない人は、
後からでもいいので、
安全な空間で、
言ってやりたかったこと、言ってやりたいことを、
相手をイメージして、それに向かって、声に出して言うこと。

(声に出すのがポイント 真剣になるほど良い)

そうすると、
「私はちゃんと言いたいことを言える」という感覚が身体に入り、
『何も言えない不甲斐ない自分』というイメージを防ぐことが出来、
自分への信頼を保てます。

(自信がついた子は
 担任の先生に事の次第を話して
 相手との話し合いの場をセッティングをしてもらってもいいでしょう。)

ちなみに不登校の生徒が
回復期に、
「本当はあの時○○が嫌だった…」と、
『過去の傷つき体験』を 親に言うようになることがよくあります。
なので、
「嫌なことが言える」ことは「癒える」ことでもあるのでしょう。

言いたいことは飲み込まず、
声にして言うこと。
「しょせん架空だし…」「今頃言ったって…」と
何も言えないでいると、
心も癒えないままになっちゃいますよ。

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不登校生が復帰に向け春休み中にしておくこと③固まってしまう子

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「不登校生が復帰に向け春休み中にしておくこと③ 固まってしまう子」

新学期が始まりましたね。

眠い目をこすりながら毎日登校している子もいれば、
始業式は来て、次の日は休んで、その次の日は遅刻…など
五月雨登校の子もいます。
学校に行こうと思っているのに身体が動かない、朝起きれない、
なんて子もいることでしょう。

学校に行っている行っていないに関わらず、
子どもも親もとにかく
「焦らない」こと、「欲張らない」こと、「思い詰めない」こと。
焦ってもいいことは何もないですからね。

ところで
相談が来ました。
「学校に行きたい気持ちはあるものの、
 人(同世代・集団)と会うと固まってしまう」、というもの。

固まってしまう理由は色々だと思います。
人とどう会話していいか分からない、
想定外のことが起こるとどうしていいか分からなくなる、
人から変に思われるのではと怖くて何も出来なくなってしまう、
過去に辛い体験があって、その時の体の反応が出てしまう…などなど。

理由はさておき
固まった状態でいるのは
身体にとって良いものではありません。

このような相談を持ってくる生徒とまず話し合うのが、
「じゃあ、固まったときどうするか決めておこうよ」
というもの。
どうするか決めておかないことが、固まったままでいる要因でもあります。
結構これって大事なことなんです。

生徒がやりたがる方法があればそれでいいのですが、
一番オーソドックスなお勧め法は「深呼吸」。
とくに息をゆっくり長く吐くこと。
深呼吸は体をリラックス状態に導きます、

そして普段から 
やっておくといいストレッチを紹介します。

息を吸いながら身体にぐっと力を入れて肩を上げ、
その状態をギリギリまでキープ。
そしてその状態から一気に脱力してリラックス。

一日数分、続けていくと、ストレスを感じにくい体になると言われています。
恐らく
自ら緊張を作り、それを緩和するということをくり返すことで
身体が「緊張をコントロールできる」と学ぶからでしょう。
「自分で何とかできる」と思うと、自信もついてきます。

こちらの動画で見られます。(1分10秒ぐらいの所から始まる)▽


ボイストレーニング 準備運動


ストレス対処のためではなくボイストレーニング用なのですが、
宜しければボイストレーニングもしてみて下さい。

僕は、生徒によってはボイストレーニングも薦めています。

不登校になる子には、自己表現が下手な子も多く、
同級生の会話の中で自分を出せないと、
学校に行ってても「自分がいない」ようで楽しくないんです。
(結構これがストレスになっている子も)

「声を出す」ということは、「自分」を出すことの練習にもなります。

このストレッチは
東日本震災の後、学校の子どもたちに薦めたセルフケアの一つでもあります。
大人のストレスマネジメントにもよく取り上げられています。
子どもと一緒にやってみてはいかがでしょうか。

■割といい内容の本でした。▽図書館で探してみて下さい
ようこそ反抗期―不登校のこころの読み方
登校拒否・引きこもりの二次的反応―かかわりつづける人のために

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不登校生が学校復帰に向け春休みにしておくこと②

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不登校生が学校復帰に向け春休みにしておくこと②

始業式まであと少し。
今のクラスでは復帰に踏み切れなかったけど、
仕切り直して今度こそ…!
そう思っている子も、多いことでしょう。

「学校復帰が少しでも上手くいくよう
 春休み中しておくことはないですか?」
という質問も、保護者の方からよく受けます。

ワタクシがいつも言うことは

「好きなことや楽しいことをして
 エネルギーを蓄えておいて下さい」というもの。

新しいことや苦手なことに
挑戦したり耐えたりするにはエネルギーが要ります。
エネルギーが無いときには、
いつもと違ったことにも、ほんの少しの嫌なことにも
キーッとなったりグサッと傷ついたりして
やる気がなくなります。

学校に行かなくなったばかりの頃がそうだった、
という子も多いのでは?
再登校を試みたものの、
同級生の「何で学校に来なかったの?」の一言に傷つき
ふたたび不登校状態になった…、という子も
いたのではないでしょうか。

そのためにもエネルギーは必要。
寝ること食べること。そして
好きなことに熱中したり楽しむこと。

「秋も冬も好きなことばかりして家に居てましたが…」

と突っ込まれそうですが、
実は好きなことの仕方
この時期は少し違います。
春に花が開くように
子どもの心もオープンになっています。
外の世界のものを、吸収しやすい状態になっているのです。

学校に行けない罪悪感を掃うためネットに走っていたり
不安に抗うべく好きなことに逃げていたような
内にこもろうとするものではありません。
今、好きなことを楽しむことは
登校というフライトに必要な燃料をためること。

効果的だったのは
子どもの趣味に
親(特に同性の親)が一緒につきあうこと。

自然散策にお寺巡り、お城大好きっ子に
アイドル好き、電化製品街好き、釣りにキャンプにグルメ旅…
子どもの個性が分かって面白いものです。

親の趣味に
子どもをつき合わせて楽しむのではありません。
親が自分の楽しみに夢中になり過ぎると
子どもは置いてけぼりにされてる気がします。
また、
親がうんざりした気分でつき合っても
いいことはありません。

子どもは
親が自分を本当に見てくれているかどうか
ちゃんと感じ取りますからね。

「自分の好きなことに触れること」は「自分を取り戻すこと」、
「楽しむこと」は「エネルギーを蓄えること」、
「親に一緒に来てもらうこと」は「親にそれを保障(保証)してもらうこと」。

「何をしている時ワクワクしてるだろう?」
そう考えるだけでも
子どもにとってはプラスになると思いますよ。




不登校生が学校復帰に向け春休みにしておくこと①

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不登校生が春休みにしておく学校復帰対策①

来月から新年度スタート!

1学期から不登校になった子も、
2学期から不登校になった子も、
厳しい寒さが過ぎ、
柔らかな温かさが感じられるようになると、
心に希望の風を 吹かさずにはいられないようです。
以前より、
表情も綻び、体がよく動いています。

来月から学校に!
そう考えている不登校生も多いことでしょう。
復帰には一番いい時期です。

「春休み中にしておくことはないですか?」
という相談もよく受けます。

僕の答えは、
「とにかく楽しい体験や好きなことをして、
 エネルギーを蓄えて下さい。」

プラス、
ここ数年よく答えているのが

「日常の些細なこと(どうでもいいこと)で、
 生まれてこの方やったことがないことをしてみて下さい。」というもの。

なぜなら
脳(身体)は保守的です。
安定を好みます。
新しいことばかりに曝され続けると、
参ってしまいます。
ずっと家で同じような毎日を過ごしていたのなら
新しいものへの耐性が弱くなっているかもしれません。

幼稚園では、
新しい年度に入った途端
今まで何ともなかった子が
「幼稚園行きたくない」と言い出したり、
幼児返りやチックなどの問題行動を出すことが多々あります。

新しい環境、新規なものは
子どもにとってそれだけ負担がかかるもの。
慣れるのに半年かかる子さえいます。

4月復帰して頑張り過ぎて
5月連休明けに倒れてしまう(また不登校になっちゃう)、
なんて子も多いのです。

小さな新規体験をして、
身体に「新しいことが起こる」ことを慣れさせておく。

今まで入ったことのない店に入ってみる、
今まで食べたことのないものを食べてみる、
今まで花の香りなんて匂ったことなかったけど匂ってみる…等。

小さなことでいいんです。
大きな新規体験だと、
かえって負担になるかもしれません。

疲れるようだったらやめましょう。
エネルギーの無い子にとっては、
プチ新規体験でも負担になることがあります。
(表面上はやる気がないように見える。)

目立った効果はありませんが、
チャレンジ精神と、新規耐性を高めることが出来ます。

新しい行動を起こすようになると、運の流れも変わります。
自分を変えたい時などに お勧めですよ。


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不登校生の視線恐怖 ~これで人目も恐くない!?

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[不登校生の視線恐怖 ~これで人目も恐くない!?~]

「周りの人がジロジロ見てる」
「背後で何かヒソヒソ言っていた」
「『何か変』って目で見てた」など
不登校や引きこもりの子がたまに外に出た時
周りの目をやたら気にすることがあります。

この理由の一つに、
投影という心の働きがあります。

本人が 無意識に自分に下している評価を、
他人の目を通して感じ取ってしまう、というもの。

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「学校に行けていない自分」を責めている子は
自分が責められているように思いますし、
不登校であることを悪く思っている子は
自分が悪く評価されているという不安を
他者の目に見てしまうのです。


また、不登校になっている子には
心が傷ついて脆くなっている子がいます。

心が傷ついて脆くなっている状態というのは、
例えるなら、
内側と外側とを仕切るべき家の塀が
穴が開いてたり破損して脆くなっている状態です。
それだと
泥棒や関係のない人たちに、侵入されやすくなるでしょ?

「人」は
色々な情報を持つ、非常に刺激の強い存在です。
それがこういった状態にあると、過度に感じ取ります。
何も身につけていない状態で、
交差点を歩いているようなものでしょうか。
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そこで、
塀が脆くなっているのなら、
応急処置の塀、バリアーを張りましょう。
バリアーは、
マスクでもパーカー付きの服でもイメージでも良いです。
効果は絶大ではありませんが、
子どもたちが僕に報告してくれた方法です。

ちなみに
人はマスクやサングラスなどしている人を、
冷たい人、怖い人のように感じるのだそうです。
なので人を遠ざけるのにも、
効果のある対処法なのですよ。


不登校生から薦められるものの意味

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「不登校生から薦められるものの意味」

不登校やひきこもりの子と仲良くなると
彼らから
ゲーム、動画、音楽、漫画、アニメなどを薦められてくることがあります。
服(豹柄!)をプレゼントされたこともあります。

若い頃ならともかく
中年になった今では
思春期の彼らの趣味には
正直ついて行けないし共感できない…

とはいえ
彼らの薦めてくるものを疎かに扱うのは得策ではありません。

「面白そうだね」「へえ~」など
興味を持って反応します。
しかし
褒めなければならない訳ではないです。

『この子が今 関心を持っているのはこれなんだな』と、
知って、認めておくこと。

「学校にも行かずそんなことばかりに夢中になって」など
否定や批判はしないこと。

彼らが薦めてくるものは
いわば彼らの「自己イメージ」。
アイデンティティとも言えるかもしれません。
「私はこういうスタンスの者です」という名刺のようなものなのです。

名刺交換の際、
名刺を貰ったら、相手の名刺を見て
それに何か一言コメントするのが
礼儀になってますよね?
それと同じ感じで反応するといいかもしれません。

ちなみに
アメリカの社会心理学者の調査によると
思春期・青年期は
どんな音楽や本、ファッションなどを選ぶかで
同年代間の社会的地位が決まるのだそうです。

彼らの選んだもの認めることは
自立心をくすぐることになります。

「大人に認められた」ということで、
自信がつきます。
さらに
彼らの薦めてきたものにハマったりすると、
「大人を夢中にさせた」ということで
自己効力感が大いに高まります。(ホクホク顔になります!)

とはいえ
全ての生徒の薦めてくるものを見ている訳にはいかないので、
最近では、
公式ホームページやウィキペディアで概要を調べ、
情報やイメージの共有だけにしています。
(子どもにとっては大人を動かしたのだからそれでも良いようです。)
 
一番いい方法は、
その作品のどこに感動したのか、
どのように惹かれているのかを
子ども本人に教えて貰うことです。

時短にもなるし、
本人の口頭での表現力アップにもなりますよ。

ネットで自殺予告を見たとき~相手を死なせないために~

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「ネット上だけの友人」がいるという方は
今や少なくないでしょう。

顔も見たこともない、
文のやり取りだけの友人。

それどころか、
その人のブログやレスを見ているだけ、という
一方通行の場合もあるかもしれません。

それでも自分にとってその人は
心の支えになっている人。

そんな人がいる人は
多いだろうと思います。

しかしある日
その人のブログや掲示板などに
感謝と謝罪の言葉と、
これから自殺するという文が書き込まれている。

…こんな経験が
多くはないでしょうが
少ないわけでもないのです。
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僕ももちろん
そんなことがわが身に起こるとは
思ってもいませんでした。

自分の生活からはほど遠い、
本の中に出てくるような、
言葉だけの事象としてしか
認識していませんでした。

なので目の前に
「自殺」という現象が迫ったときには

何をすればいいのか、
どうしてあげればいいのか、
どう動けばどうなるのか、
本当に死んでしまうのか、
何をするのがいいのか、何が出来るのか。

混乱と葛藤と焦りと無力感、
あまりに強い衝動に同時に襲われ
僕は
感覚が麻痺し
その場でフリーズしてしまったのです。

以降、
二度とあんな苦しみを味合わないよう
「これから自殺する」という書き込みを見つけたときの
僕なりの対応を開発しました。
それをご紹介しておきます。

自殺予告を見た時は
当然ショックを受けます。
しかし、焦る心に
「どうすればいいか分かっているはず」と、
言い聞かせ落ち着かせます。

この時、
相手の状況がどんなに救いようのない不幸なものに思えて、
「このまま死なせてあげる方が相手のためでは…」
という考えがよぎろうと

「100%死を望んでいる人間などいない、必ず1%は生きることを望んでいる」
「自殺は
『今の生き方をリセットしてもっとより良い生き方がしたい』という思いの裏返し表現である」

という、
自殺対応のプロの方が言っていたことを思い出し
気持ちを奮い立たせます。

どこの誰か分からないからどうしようもない
と思っている方もいるかもしれませんが
(現在はあまりいないと思いますが)
警察に通報します。

インターネット上の自殺予告については、
接続業者などの団体が 
発信者の名前や住所を警察の求めに応じて開示する
としたガイドラインを策定しており、
通報を受けた警察が 業者に照会して発信者を割り出すことになっています。
ちなみに2007年に
警察が本人や家族を説得して
自殺を思いとどまらせたり、
病院に運んで救護したりした人は72人。
(毎日新聞の記事を参照)

相手のブログのページアドレス、掲示板のアドレスだけでもOKです。
相手のIPアドレスやホスト先も分かるようなら
それも伝えておきます。

文面から緊急性があると思われる場合は
『心配なので、すぐに生存確認を取ってください』と言っておきます。
あまり緊急性がないと思われると
「明日の朝電話しておきます」と言われてしまうことも。
(警察の対応は、個人差があります。)

通報した後も、
何かしなくてもいいのかという
不安と焦燥感を抱えることになると思います。

その時は、
パソコン画面上のその人の書き込みを見て
強く、全身全霊で、『死なせはしない』と心に念じます。

そして、自分の想いのベクトルが、
パソコン画面(電話の場合も可)の向こうの相手に向かって発され
その人の背後から回って両肩をギュッとを抱きしめ、
それから
自分が相手の背後から耳元に
「死ななくていい」「僕がついてる」と、
囁くイメージをします。

さらに
拍手ボタン、メール、ブログのコメント、
相手とコンタクトがとれる箇所の全てから
「私はあなたに死んで欲しくない」
「あなたが辛い状況にいるのはいたたまれないが、
 それでも私はあなたを失いたくない」と
自分の感じている真剣な思いを送ります。

「自殺を望んでいる人を止めたりしたら恨まれるのでは?」
という不安があるかもしれませんが、
加賀乙彦先生(犯罪心理研究者、精神科医、文学者)の著書
『悪魔のささやき 』(集英社新書)によると、
自殺を止められた人が
「なぜ止めたの、死なせて~!」と怒ることは滅多になく、
大抵の人が
「良かった、助かって」と、
生きていることに安堵するのだそうです。

僕も自殺未遂をした人に何人か会ったことがありますが、
「あの時はちょっとおかしかった」など、
その時の自分を恥じている人ばかりでした。
恨まれる懸念は不要です。

自殺を止めたいと願うのは人間の本能なのです。
本能に逆らう方が不自然です。
自分の内側から来る力の正しさを信じましょう。

自分は相手の『生きたい気持ち』であり、
相手の『生きようとする思い』が、
自分を今この場にこうして引き寄せたのだ、
自分の思いが強くなればなるほど
相手の『生きたい気持ち』も強くなるのだと。

自分の『真剣な思い』を弾に
相手の心に狙いを定め、相手の『死にたい気持ち』を撃ち砕くように、
送信ボタンを押します。

冗談で自殺予告を投稿した方もいるかもしれませんが、
例え冗談であっても「死ぬ」と言っている人は、何らかの辛さを抱えています。
こちらの「死んでほしくない」という真剣な気持ちが伝わると、
自暴自棄な気持ちが怯むのです。

最後に、
「人事を尽くして天命を待つ」。

自分が思いつくことは全てやった、真剣にやった、
「その子にとって一番いいようにしてあげて下さい」と祈って
あとは天の采配にお任せしましょう。

その後どういう事態となっても、
それがその子にとって一番良かったのだと、
自分の心を納得させるためです。

以前僕と交流のあったブロガーさんが
自殺予告を書き込んだ時、
僕はその子の
HPと携帯サイトのメールボックスからメールを、
そして
そのブロガーさんとネット上で交流があったカウンセラーさんに電話して、
そちらからも声をかけてくれるよう頼み、
その後警察に「生存確認をとって欲しい」とお願いしました。

警察の方は即動いてくれたようで
その子を説得し、「自殺しない」と約束させてくれました。

後に
精神薬が切れたことから鬱状態が悪化したためと分かり、
落ち着いた頃には
「一時の気の迷い」「二度としない」と言っていました。
今ではリア充しているようです。

通報すると、
そのブログや掲示板は削除されてしまうので、
その方とのつながりがそこで切れてしまうこともあるかもしれません。

心の支えとなる人の消息が分からなくなるのは辛いでしょうが、
それでも、
「自分が何もしなかったためにあの人は死んでしまったのではないか」
という苦しみを背負うより
ずっと、ずっといいのです。

2012.08.26
インターネットホットラインセンター

「死にたい」と言われた時

子どもが
「死にたい」と、言ってくることがあります。

表情は必ずしも暗いわけではなく、
学校でも
特に目立った問題はないかもしれません。

しかし、
子どもの「死にたい」という言葉は、
軽く受け流してはいけません。

「死にたいと言っている子は自殺しない」
「気を引くためにわざと言っている」
「死にたがっている子に、自殺したい気持ちについて色々聞いたりすると、
 かえって自殺への行動を現実のものにしてしまう」

と、一般には思われているようです。

そのため、
子どもが死にたい気持ちを打ち明けても、
それを聞いた人から
軽く受けとめられたり、
聞き流されたりすることがあります。

「死にたい」という言葉は衝撃が強く、
聞いた周りの人はその言葉に少なからず動揺します。

「死にたいと言っている子は自殺しない」
「嘘を言っている」
と思うことで
自らの気持ちを落ち着かせ、
「何を馬鹿なこと言ってるの」と、
子どもの言うことを否定したり、

または
自分の心を動揺させられた怒りから、
「『死にたい』なんて軽々しく言うものじゃない」
「生きたくても生きられない可哀想な人もいるのに」
と言って叱責してしまうのも
無理はありません。

結果、子どもは
「真剣に受け止めてもらえなかった」
「分かってもらえなかった」
という気持ちを味わうことになってしまい、
かえって
自殺への気持ちを強くしていることがあります。
(表面では「てへへ~」と笑って過ごしているのだとしても。)

「死にたい」と言っている直後に自殺することは、
そう多くないかもしれません。
「死にたい」と言葉にして口から出すことで、
気持ちは少し楽になるからです。

しかし、
「死にたい思い」を打ち明けながらも
そのまま放っておかれるという経験を繰り返せば、
自分は大切にされる価値のない人間だという思いが強くなり、
その後その子が
自殺遂行に至る危険性は、十分あるのです。

「死にたい」と子どもが言って来た時は、
必ず
真剣に耳を傾けないといけません。

「自殺はいけないことだ」
「親不孝だ」
「周りが悲しむ」など、
社会倫理や他者を持ち出して
相手の自殺を止めようとする人もいますが、
そのような言い方では、
相手の心には何も響きません。

社会が、第三者が許さないよ、という言い方は、
どこか自分の気持ちを誤魔化し
他に(相手に)責任を転嫁して対処しようとしています。

相手のことより
自分自身の心の安寧の方が大事なのだと、
死を真剣に考えている人には、すぐ見破られます。

無責任な態度では、
死を考えている人を止めることはできないのです。

本当に今、心から感じていることを言葉にしないと
相手の真剣な気持ちを
受け止めることは出来ないのです。

日本人は、人を叱る時や行動を止めさせようとする時、
「○○さんが悲しむよ」「世間が何て思うか」など、
 第三者や周囲の目を引き合いにして、
本人に思いとどまらせようとする言い方が多いのです。

「第三者があなたをどう思うか」ということが、
本当に伝えたいことでしょうか?
「私はあなたに死んで欲しくない」が、
本当の気持ちのはず。

「死にたい」と子どもが打ち明けてきた時は必ず、
「僕はあなたに死んでもらいたくない」
と、
一番伝えたいことを
真剣に
言葉にしないといけません。

誠実さのない心では、
真剣な心と向き合うことは出来ません。
少しでも言葉に嘘や欺瞞、躊躇いがあったら
すぐばれてしまうのです。

その子の
「死にたい」気持ちから目をそらさず、
真剣にその「死にたい気持ち」を聞いてあげること。

死にたい気持ちを吐き出させてあげることは
その子の辛い気持ちを楽にすることでもあります。

・それは死にたいくらい辛い思いをしているということなのか、
 それとももう二度と目を覚ましたくないと思っているということなのか、
 どのくらい死にたいと思っているのか、
・自殺の方法、計画を実際考えているのかどうか、
・あるのならどのような方法で死ぬつもりなのか、またはしたのか、等

自殺したい気持ちについて具体的に聞いていくことは、
自殺したい気持ちや不安が、かえって和らいでいくものです。

例え本気で「死にたい」と言っていたわけではなくても、
自分の気持ちを真剣に受けとめてもらえたという経験は、
子どもにとって
決して悪いものではありません。
(「冗談が通じない奴」とは思われることはあるかもしれませんが。)

子どもに「死にたい」と打ち明けられ、
真剣に受け止められず
その後本当に自殺してしまった時の
後悔や苦しみは、
「冗談が通じない奴」扱いされる苦しみの比ではないのです。

死なれてからでは何もかも遅いのです。

2011.8.3
自殺対策-内閣府-WHO による自殺予防の手引き



 


★宜しければ「カウンセリング修業のブログ」にもどうぞ★
 

なぜ不登校生は昼夜逆転するのか

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「学校に行きなさい!」
と言われても言われても
「学校に行かなければ」
と思っても思っても
朝は起きられず、昼寝て夜起きる生活になぜかなってしまう…。

多くの不登校生が陥る「昼夜逆転生活」。

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と、思われる方も、いるかもしれません。

小さい内に
朝起きて学校に行き、夜寝るという
生活習慣が身に付いていなかった子の場合は
それも当てはまることでしょう。

しかし、
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という子の場合は、
そうではないかと思います。

昼夜逆転は、
不登校であるがゆえの症状なのであって、
不登校の原因ではありません。
深夜アニメを見ているから朝起きられない、という訳でもないのです。

昼夜逆転は、
不登校の子にとっては、正常かつ健全な反応。

日中、
学校にも行かずに家で起きていると、
外で働いている人たち、学校に行っている人たちに対し
いたたまれないような気持ちになり、
心からくつろげないのです。
そのため、
子どもは家から外に出ません。(出るのは休日か夜。)

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…と、思われるかも知れませんが
「世間の目」が分かっているから、昼寝て夜起きる生活になるのです。

子どもに社会通念が身についている証拠として
親御さんは、(これまでの)自分の子育ては間違ってなかったのだと
まずは安心していいかと思います。

不登校に陥った子が
まず最初にしなければならないことは、
家でくつろぎ、エネルギーを充電すること。

しかし昼間起きていると、
気が休まらず、充電が出来ません。
夜は世の中全体がお休みモード。
周りに気を遣うこともなく、「世間の目」を気にせず、
くつろぐことが出来るのです。

子ども本人が
昼夜逆転を直したいと思っているのなら、
大人は協力してあげても良いと思います。
しかしそうでないのなら、
昼夜逆転生活のことを責めるのは
得策とは言えません。

朝起きて夜寝る生活がいかに正しいかを説くと、
子どもは
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と感じ、更に苦しみます。
それが、
親子バトルにまで発展したり、自殺未遂に至ることもあるのです。
(不登校中一番困るのは、問題が複雑化することです。)

多くの、昼夜逆転中の不登校生は、
「この生活を直さなきゃ」と思っています。
しかし身体は
「頑張りたくない、休みたい」と望んでいます。

不登校生と話をすると、
こうなる前は
友人関係や勉強課題、クラブの練習、上下関係、家族関係やら、
自分以外の「何か」のため
過剰に頑張り続けていた、
という経験を持つ子がとても多いのです。

身体は、
これ以上子どもの「意思」に任せておいては危険と判断し、
エネルギーを取り戻すため
外から来る刺激をシャットアウトし、
自分の内から来る欲求に従おうとしているのです。
心身回復に向けた、健全な反応です。

子どもは
不摂生な生活がしたいわけでも、
周りに反抗したいわけでもありません。

まずは
家の中で、安心して充電できるよう、
「学校に行きなさい!」「朝起きなさい!」など
しつこく言って
子どもを責めないように。

せっかくためたエネルギーが、
責め苦に耐えること使われてしまいます。
(そうすると堂々巡りに陥る)

目指すは
18005005.jpg
という状態。
家の中で心が安定すれば、子どもは
冷静に今の状況を見つめられるようになり、外へと関心が向き始めます。
再登校へのチャレンジは、それからでも遅くはないかと思いますよ。

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