不登校「行く」と言って行かない頃

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不登校になった子によく起こる現象のひとつに
「明日は(学校に)行く」
「来週は行く(外に出る)」 と言っておいて
その日になると
起きれなかったり、
体の調子が悪いと訴えてきたりして、
ドタキャンが多くなる
ということがあると思います。

それも学校関係だけでなく、
友達との約束、行く予定だったイベント、
という場合もあります。

あまりにドタキャンをくり返されると
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と 、
子どもの言うことが
信じられなくなることも
あるかもしれません。

でも 子どもは、
親や相手に反抗して
あるいは
だまそうとして
ドタキャンしたわけではありません。

「行く」と言っている時点では
確かに行くつもりでいます。

わりと不登校なり始めの頃に多い現象で、
本人は
自分の身体は自分の意思のまま動かせると思っています。

しかし当日になると、
お腹が痛くなったり、身体が動かなくなったりして、
結局 外に出られません。

それを見て
周囲の人も本人もがっかりします。

子どもは
周りからの信頼を損ないますし、
自分への信頼も低下します。

ふがいない、情けない・・・。
いつしか自分で自分を諦め、
学校や、友達と会う約束をする意欲も萎えていきます。

不登校になって一番困るのが、
子どもが自分への信頼感を失ってしまうこと。

再登校には自分への信頼の回復が必要です。
しかし不登校中は自信を失う機会が多いのです。

「行く」と言っている内は
「行かなきゃいけないよな」と思っている段階。
 まだあきらめていない状態です。

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子どもの言っていることを
大人は否定することのないように。
結果はともかく、
本人の自尊心を傷つけます。

(そうは言ってもどうせ行けないんだろうな・・・)と分かっていても、
子どもが「行く」と言っている以上は
「うまく行けるといいね」と
相手の言っていることを肯定しましょう。

そして
ドタキャンになった時に多くの人に迷惑をかけないよう、
約束している相手には事前に
ドタキャンもあるかも知れないことを伝えておき、
その場合はどうするかを決めておくこと。
(相手の人がショックを受けないよう、
 そして子どもが行けるようになった時のことも考え、
 「今はまだ難しいみたい」
 「誘ってくれてありがとう」
 「子どもにとって支えにもなっている」など
  相手のことも労っておきましょう。)

僕は
不登校生の親御さんには
「子どもは自分では『出来る』と思っているから「行く」と言うでしょうけど、
 身体はずっと保守的で、
 意志よりも、ずっと後からついて来るものです。
 当日になってドタキャンになっても、
 全然おかしいことではないんです。
 でも『行く』と頭で思っている以上、
 いつか必ず出来るようになります。」

不登校生がドタキャンを繰り返すことは
実によくあることで、
そしてそれが自然な反応だということを、
前もって言っておきます。

約束していたことが、結局出来なくて、
ドタキャンになったとしても、
大人は慌てず、
「『行く』と言っている限り、いつか行けるようになるよ」と、
おおらかな態度で接してあげること。

出来なかったことについて責める必要ありません。
何故出来なかったかと問うことは無意味です。

大人が
子ども以上に落ち込んだりすることだけはないように。
思うように自分の身体を動かせなくて
ショックを受けるのは本人です。
大人を苦しめてしまったという罪悪感まで背負わせてしまうことにならないよう。

行けるようになる時も来ると、
大人は
希望を持たせてあげることです。

子どもは賢い存在ですが、
十数年しか生きていないため 知らないことが多く、
そのため
『一事が万事』
という思考になりやすいのです。(ウツの人の考え方と似ています。)

そんな彼らに
子どもよりずっと長く広く世界を見てきた存在として、
今の状態が長い人生の中でほんのわずかな時であり、
いくらでもやり直せるものなのだということを、
示してあげると、
子どもは
とても心強くなります。

そして
大人のそういった態度から
子どもは
自分の問題に対する態度、
距離を置いて冷静に見つめるという態度を
学んでいきます。

どうせドタキャンだから約束はしないでおこう、
という態度は僕はあまり薦めません。
ドタキャンが続くと
子どもに行くか行かないかを聞くのが苦痛になってくる親御さんも
いらっしゃいますが、
不登校中、
子どももずっと同じ状態でいることもなく、
たまに調子がいい時もあります。

行けたか行けなかったかの結果ではなく、
その約束に対して子どもが
どのような姿勢で臨んでいたか、
行けなかったときどのくらい落ち込んでいたか、
どんな風に立ち直ったか、どれぐらいかかっていたかなど
を見ていて戴ける方が
援助者として助かるのですが。

2008.April
 

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